モワット・ウイルソン症候群という難病をご存じでしょうか?
詳しくは難病情報センターのモワット・ウイルソン症候群のページをご覧いただきたい。
この病気は、難病指定の病気であり、鍼灸師が施術する事など稀な事だと思います。
私は偶然にもモワット・ウイルソン症候群の6歳男児の施術に携われ、ある程度の結果が伴っているので、鍼灸師でもこの病気に対して出来る事があるという事を報告したく思いブログを書く事にしました。


さて、患者の母親が鍼灸に期待した内容は以下の3っであります。
【主訴】
#1.体温調節(低体温)改善
#2.難治性便秘改善
#3.かんの虫の改善

【施術内容】
従来は、先代から教わった小児はり(いわゆる接触鍼)による施術+直神傳澤田流太極療法(豪鍼による単刺)を施してきた。
今回は、先代から教わった小児はり(いわゆる接触鍼)による施術+触診による腹部反応点へのASP鍼による置鍼

刺鍼部位は添付写真を参照
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【結果】
患者の母親の言葉をそのまま掲載させて頂きます。
「便を柔らかくする薬を朝晩飲んでますが、試しにASPをしてから飲ませず浣腸は毎日していました。
薬を飲まないと便がカチカチになってしまいますが薬を飲んだ時と同じ位か少し固め(困る硬さではない)で排便できました。夜寝つく前後は手足先が冷たくなってましたがホカホカ。お布団の中も温かいと思うほど温まってました。鍼を気にする事なく生活もできました!」
注)鍼とはASP鍼の事です。

【考察】
豪鍼とASP鍼による有意差は明らかな様でしたが・・・
私は、学士(鍼灸学)であり、難病の症例報告などという大それたことはした事がないので事実の列記のみとさせていただきました。考察を考えようにも、「自律神経が調整され、生体恒常性が・・・」ってありふれた何の根拠も無い様な事しか書けませんから・・・。
できれば、博士号を持たれた偉い先生方の研究により、名人芸ではなく、だれでも再現できる施術方法が確立されることを願います。ASP鍼を使ったのも持続時間を長くさせる為だけでなく、再現性を高める事が出来るのではないかという期待も含まれております。


報告日:令和元年11月10日
症例報告作成者:松浦哲也