この症例報告は本人の了承を得て記述及び掲載しております。
又、直後効果を具体的に共有するために、患者さんの言葉をそのまま記述しておる症例報告もあります事ご了承ください。

主訴:20年以上続く左の首(人迎~水突~気舎付近)の違和感、肩こり
40代後半女性 
現病歴:20年以上前から左の首の前側の違和感がある。それに伴い肩こりが酷い。病院で検査の結果、左頸動脈の血流が悪いと指摘されるが、特に異常が無いという事で経過観察が20年程続く。その間、接骨院や整体院などに通っていた。NHKの番組を見ていて、耳に鍼をするだけで効果がある鍼治療がある事を知り、ネットで調べ、怖いけど最終手段として鍼しかないと思い数ヶ月前に当院へ来院する。その際、マグレインSによるThe Japanse Style BFAの施術を試し多少の効果を実感したが、皮膚がかぶれる為継続した施術不可能。相談の上、ASP鍼を輸入して施術を行う事として、鍼が届いたので本日ASP鍼による施術を施した。
飲酒歴:なし
喫煙歴:なし
既往歴:なし
家族歴:特記事項なし
自覚症状:20年以上続く左の首(人迎~水突~気舎付近)の違和感、肩こり

【施術内容】
既に病院にて精密検査を受けているので詳細な鑑別は省略する。耳を触った感じから、源流ではなく、松浦流Battlefield Acupunctureにて対応すると判断。先ず、左の耳のみへ手順通りに施術する。
詳細な手順は拙著「写真で学ぶ戦場鍼治療第二版」にてご確認ください。

刺鍼部は添付写真を参照
20200219T.K.L

【結果】
左の首(人迎~水突~気舎付近)の違和感、肩こりNRS10→0
右耳への施術はしていないも関わらず左頚の違和感が消失すると同時に左右の肩こりも消失しました。
20年以上悩んだ症状が消失した事でとても嬉しそうでした。
来週から体の体質改善(本治)を目的に全身的な鍼灸も併用して問題解決へ一緒に歩んで行きましょうと話をして本日の施術を終了しました。

注意:ASP セラピーの施術報告では、施術の緊急性と効果の即効性を重視しているため、効果判定のVNRSについて最初の苦痛を10として記載しています。


【考察】
先行研究では75~82%のASPセラピー患者に疼痛改善効果がみられるとあるが、今回のケースでも直後効果の付加ならびに効果の持続がみられる結果となった。

今回は特に刺鍼部位を当て推量ではなく、低電気抵抗点を探査した上で決定したため、疼痛時に活動が亢進するとされる脳の視床下部へ、効果的な抑制刺激を加えることができたためではないかと考えられる。

左耳のみ施術で左右の肩こりの症状が消失した事は私の学力では理由を推測できない。

症例報告日:令和2年2月21日
症例報告作成者:松浦哲也