開院70年 直神傳澤田流® 松浦鍼灸院

鍼灸で身体の不調を治すだけではなく、不調が出ない身体をつくる お手伝いをする。 当院は“未病治”を目標に鍼灸院を運営しております。

直神傳澤田流®(じきしんでん さわだりゅう)松浦鍼灸院の公式ブログです。

カテゴリ: 引用記事

私が医者でヨガを指導する立場にいるから かもしれませんが、「国家資格を持つ医療関係者でヨガ指導をしている人/これからヨガを指導する人」に数多く出会います。理学療法士、鍼灸師・あん摩マッサージ師 が一番多いような気がしますが、若手の医師、歯科医師、歯科衛生士、臨床検査技師、臨床放射線技師、もちろん助産師・保健師・看護師、あと際どく国家資格ではありませんが 臨床心理士 など、でしょうか。特に、これからその資格を強みにヨガの世界でがんばっていきたい、と言う人によく出会います。

そんな方へ伝えたいこと2つ

1つ目 どちらも中途半端になるくらいなら、どちらかひとつにしておいたら、という考え方もある。

ダブルライセンス と言わんばかりにヨガの資格も取って、という意気込みをお持ちの方に RYT200 でお会いしたりもするわけですが、まずどちらに軸足を置きたいのかを自分の中で見極めること。そもそも「国家資格を持つ医療関係者」なんてものは10年そこそこで一人前になんてなれないのが一般的です。そう考えたら、「国家資格を持つ医療関係者」としての自分をどこまで高められるか、それは 自分自身への問い しかないと私は思ってます。なぜなら「医療関係の国家資格」さえ持っていれば、まわりはそれなりの目で見て、それなりの対応をしてくれるでしょうから。でも自分の中で、もしくは同業者の中で、一人前かどうかはクリアに分かってしまうもの。そう考えたら、真摯に自分が今、その資格に相応しい研鑽を積んでいるかを確かめた方がいい。

その上でのヨガ指導 となるのが理想だとは思いますが、生き急ぐというのか、本業はどちらですか?と尋ねたくなるというのか、国家資格を持つ仕事もそこそこにヨガに軸足を移そうとする人の多いこと。本当にもったいなすぎる。なにがか、と言えば、その人をその有資格者にするまでに投資された税金が、です。私たちはたくさんの税金を使わせていただいてはじめて今の職種に就き、活動ができているということをもう一度確かめていただけたらと思います。ヨガの世界で有利に動けるためにそれだけの税金を投資していただいたわけではない ということを。

さらにヨガを指導する立場として ヨガが片手間になってしまうのも、それは違うと思う。ヨガを趣味で続けていくのならそれはそれで良いし、片手間であったとしても仕方のないことですが、ヨガを指導する立場に立つ のであれば当然、それなりにヨガを深めていくべきだと思っています。なにも難しいポーズができるべき、と言っているわけではありません。ヨガ指導の時間以外に自分のヨガのための時間を毎日 持ち、自分自身のヨガを磨いていくことが大切だということ。それはすなわち、ヨガを指導するに相応しい人になっていく道にほかならないからです。

2つ目 「国家資格を持つ医療関係者」だからこそ伝える内容を見極めるべき。

これまでの日本のヨガ界を見てみると、理学療法士である中村尚人先生や耳鼻科医師である石井正則先生 といった、ヨガを練習する誰もがその先生の著書を1冊は手にしたことがある くらいの先生が「国家資格を持つ医療関係者でヨガ指導をしている人」の礎を作ってくださいました。その後も、特に解剖学の分野で言えば 鍼灸師の内田かつのり先生や野見山文宏先生 をはじめとして、「国家資格を持つ医療関係者でヨガ指導をしている人」は決して少なくありません。これらの先生方に共通して私が感じることは、「ご自身が背負っている国家資格に対してきちんと責任を果たしておられる」先生だということ。

資格にモノを言わせる、つまり
自分が「理学療法士」だから自分のことを信じてよね
自分が「鍼灸師」だから自分の言うことは正しいでしょ?
自分が「医者」だから間違っていないんだ
なんて人はひとりもいなくて、他の理学療法士から見てもおかしくないこと、他の鍼灸師から見ても納得なこと、他の医者から見てもそれは確かにそうだと思えること、のみを伝えておられる方ばかり。

「国家資格を持つ医療関係者」である時点で、世の中の多くの人は「信じるに値する人」という見方をしてくださるもの。それはもちろん、「国家資格を持つ医療関係者」がきちんと定められた勉学を修め、国家試験に合格し、それなりの経験を積み重ねてきたからこそ、であり、そうでなくてはなりません。でもそれは、私たちの先輩方から私たちの同僚に至るまで永い年月、世の中の多くの人の信頼を裏切ることがないよう身を律し、職務に務めてきたからこそ続いている見方であることも確かです。当然ですが、これから先もこの信頼を失ってしまうことがないように私たちも守っていかなければなりません。

その上で、ヨガを指導していく のであれば、限りなく正しいことを伝えていくべき、ということ。さらに言ってしまえば、「国家資格を持つ医療関係者がヨガを指導する際は、限りなく正しいことだけを伝えていくべきだ」ということです。

なぜならば、世の中の多くの人たちは「国家資格を持つ医療関係者」が言うことを信じるから。

「国家資格を持つ医療関係者」がヨガを伝えたいのなら、「国家資格を持つ医療関係者」が植物療法を伝えたいのなら、「国家資格を持つ医療関係者」がホメオパシーを伝えたいのなら、それがどれだけ信じるに値する方法なのかを確かめ、エビデンスを確かめてから伝えるべき。そうでなければ、私たちの同業者が迷惑しますから。理学療法士がそんなこと言ってた、鍼灸師があんなこと言ってた、歯科衛生士がそんなこと言ってた、看護師がこんなこと言ってた、助産師がそんなこと言ってた、放射線技師がそんなこと教えてた、医者がそんなこと言ってた、みんな一括りにされるわけですから。「国家資格を持つ医療関係者」でヨガを指導する人は 世の中に発信する方法を持つ、人に教える といった他の同業者が持っていない「他人への影響力」を持つわけです。そこを自覚したいもの。

たとえばですが、ヨガを教えたい歯科医師が、歯科衛生士が言う「鼻呼吸よりも口呼吸だと免疫の状態が悪い、だからヨガで鼻呼吸を増やして免疫力を上げる」そこにエビデンスがあるのかを確かめてみたら、ということ。
本当に口呼吸だと免疫の状態は悪いの?
鼻呼吸を増やせば免疫の状態は変わるの?
口から、鼻から、という感染経路だけの問題とは違うの?
私は専門ではありませんからわかりません。でも、歯科医師が言うから、歯科衛生士が言うから、信じちゃうって人はたくさんいるんです。ってより、ほとんどの人が信じてしまうんです。だからこそ、私たちは 伝える内容を見極めるべき なんです。

厳しい と言われるかもしれませんが、当然です。私たちは「国家資格を持つ医療関係者」なのですから。「国家資格を持つ」というだけで、世の中の多くの人から信頼をいただく立場にいるのですから。そんな私たちが、世の中の多くの人からの信頼に応えるのはあたりまえのこと。

これまで、私たちの先輩がそうやって信じるに値するヨガを伝えてきてくださった、その続きは私たちが信じるに値するヨガを伝えていきたいものです。


引用元:http://www.mihotakao.jp/article/5958.html

肝に銘じます。
特にこの文章!

私たちの先輩方から私たちの同僚に至るまで永い年月、世の中の多くの人の信頼を裏切ることがないよう身を律し、職務に務めてきたからこそ続いている見方であることも確かです。


これは嬉しい情報ですね!
当院でも数人定期的に健康管理に通ってくださっている、持病にパーキンソン病をもってらっしゃる患者さんがいらっしゃいますのでさっそくお教えしたいと思います。


~以下引用記事~

鍼灸ニュースの宮﨑です。
今回も前回に引き続きパーキンソン病についての研究をご紹介します。
パーキンソン病は運動機能に関係する脳内ホルモンであるドーパミンの不足によって運動機能に障害が現れますが、これを防ぐツボを発見したという研究です。

パーキンソン病とドーパミンは非常に深い関係にあります。

パーキンソン病とは、震えや姿勢の障害にはじまる筋肉のこわばりといった運動の症状が特徴的な病気です。

そしてドーパミンは運動調節に関係する働きを持つ脳内ホルモンです。

パーキンソン病にかかりやすくなる原因のひとつにはこのドーパミンが低下して起こるからだといわれています。

一説には、脳内で作られるドーパミンが正常な人の20パーセントにまで落ちるとパーキンソン病の症状が現れるとのことです。

パーキンソン病は症状が進行すると認知症の症状が現れてくることもあります。

それもまた、ドーパミンの低下によるものです。

この脳内ホルモンは、意欲や快感等のプラスの感情によって分泌が増えるもので、逆にマイナスの感情になるとどんどん減っていきます。

パーキンソン病にかかって思うように体が動かなくなりマイナスの感情に偏ると、さらにドーパミンの分泌量が低下し、さらにパーキンソン病が進行するという悪循環が働いてしまいます。

パーキンソン病とは今現在、完治する特効薬はありません。

ですが、症状の進行には個人差があり、治療や本人の資質によっては遅らせることが十分可能な病気です。

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韓国・ソウルのKyung Hee Universityで行われた研究です。

この研究では、パーキンソン病患者に鍼灸の治療が脳の化学物質にどのような効果を与えているかを調査しました。
LV3(太沖)とGB34(陽陵泉)のツボが、ドーパミン作用性のニューロンであるチロシン水酸化酵素の減少に作用することを突き止めました。
チロシン水酸化酵素は脳を保護する酵素で、ドーパミンの前駆体であるL-DOPAを助ける役割をしています。
研究者は、LV3(太沖)とGB34(陽陵泉)のツボがL-DOPAの減少を防ぐと結論づけました。
このL-DOPAの減少を防ぐことで、パーキンソン病患者の運動機能の低下を防ぐことができます。

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引用:Health CMI 2016年12月2日
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1692-acupuncture-slow-parkinson

引用元:http://healing-studio.com/parkinsonbyoudopamin.html


坐骨神経痛に鍼灸が効くというニュースがネットにありました!
当院でも臨床成績が良好な疾患ですね

~以下引用記事~

鍼灸ニュースの宮﨑です。

坐骨神経痛とは腰から下にかけて伸びている坐骨神経が圧迫や刺激を受けて痛みを生じることです。

その原因も人によって異なります。

例えば腰に大きな負担をかけてしまったために椎間板が変形し、それが神経を刺激するため腰痛や痺れを生じる方もいれば、加齢により神経が存在する脊柱管が圧迫され、それが神経を刺激することにより痛みを生じている場合もあります。

そして痛みや症状も人によって異なります。

足だけに痛みを生じる場合や、腰にまで痛みを生じる場合、そして動かすと痛みがひどくなる場合や、横になっていても痛みが続く場合などがあります。

そして程度もひどい痛みを生じる場合もあれば、痺れが続くような場合もあります。
そのため、治療法も症状の程度に合わせて様々です。

しかし、多くの場合、外科的施術はせずに薬物療養にて症状の緩和をします。

痛みをブロックする神経ブロック療法やマッサージなどにより症状を緩和するリハビリ療法もあります。

しかし、何を行なっても症状の改善が見られなかったり、内臓にまで障害が現れ始めた場合は外科的施術をすることになる可能性もあります。

このように坐骨神経痛とは、一言にいってもその痛みや症状は人によって異なります。

そのため痛みや痺れが続くようなら、一度診察してもらうことをおすすめします。

ただの腰痛と思っていても、それはもしかしたら坐骨神経痛かもしれません。

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坐骨神経痛の患者を2つのグループに分け、研究を行いました。

グループ1:鍼灸の治療のみ
グループ2:鍼灸の治療に漢方薬を追加する

治療を始めてから3日目、10日目、22日目に痛みと炎症の度合いを計測しました。

結果はグループ1の効果率が81.6%、グループ2の効果率は95%となりました。
鍼灸だけでも高い効果を発揮しますが、漢方薬と合わせることでさらなる効果が期待できることがわかりました。

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引用:Health CMI 2015年10月8日
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1535-acupuncture-relieves-sciatica-reduces-inflammation
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この研究で使われたツボ
Zhibian, BL54:秩辺
Chengfu, BL36:承扶
Huantiao, GB30:環跳
Fengshi, GB31:風市
Weizhong, BL40:委中
Dachangshu, BL25:大腸俞
Chengshan, BL57:承山
Yaoyangguan, DU3:腰陽關
Ashi:阿是穴


引用元:http://healing-studio.com/zakotusinkeituu.html


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【ハーバード発!子宮内膜症の痛みに日本の鍼灸が効く!】

女性特有の病気の中でも発症するが多いのが子宮内膜症です。
子宮内膜症は本来、子宮の内側にしか出来ない子宮内膜が子宮の外側にある子宮内腔外に生育してしまうことで、痛みなどの不快な症状を引き起こす病気です。
多くの病気が加齢によって引き起こされやすいのですが、子宮内膜症は、20~40代の比較的、若い年齢の女性が発症しやすいという特徴があります。

人によっては10代後半でも発症することがあります。
明確な発症原因はまだ判明していませんが、若い年齢の女性の発症率が高いことや初潮前には発症しないこと、閉経後には症状が軽くなることなどから女性ホルモンのエストロゲンが関係していると考えられています。
そんな子宮内膜症の特徴的な症状として挙げられるのが月経時の強い痛みです。
健康的な月経ではほとんど痛みがないとされていますが、子宮内膜症を発症している場合、痛み止めを飲んでも効果がないほど、激しい痛みを感じることが多いとされています。
こうした特徴的な症状である子宮内膜症の痛みについて知っていれば、以前と比べて生理痛が酷くなったという場合に、この病気を疑うことができるといえます。
ですので、これまで耐えられないほどの生理痛を感じることがなかったのに痛みを強く感じるようになったというのであれば、子宮内膜症を疑って病院で診察を受けた方がよいでしょう。

以前にも子宮内膜症の痛みに鍼灸が効果があるという研究をご紹介しましたが、今回はハーバード大学医学部で日本式鍼灸が子宮内膜症の痛みに効果があるという研究をご紹介したいと思います。

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<方法>
腹腔鏡にて子宮内膜症と診断され、骨盤の痛みを持つ13ー22歳の女性患者18名を対象に研究を行いました
患者がはランダムに2つのグループに分けられ、8週間に渡って16回の治療を行いました。
グループ1:日本式鍼灸の治療を受ける
グループ2:偽鍼灸の治療を受ける

<結果>
11ポイントのスケールを使って痛みを調査した結果、治療から4週間後にグループ1の痛みが平均4.8ポイント減少したのに対し、グループ2の痛みの減少は平均1.5ポイントでした。
また、HRQOL(Health-Related Quality of Life=健康に関する生活の質)のすべての項目で、グルプ1の数値がグループ2を上回るという結果になりました。

<結論>
このことから、日本式鍼灸は若年層の子宮内膜症の痛みに安全で効果がある治療だということができます。

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引用:アメリカ国立生物工学情報センター オンライン論文アーカイブ(PMC)2009年10月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2610346/

引用元:https://goo.gl/EjL3LW

日本の自殺者数は一時期のピークより減ったものの、先進7ヵ国の若年世代ではいまだに死因第1位を占め、深刻な事態を抜け出してはいない。自殺の多くは、うつ病などの「ココロの病」が原因と見られており、自殺予防対策には「ココロの病」の治療が欠かせない。最近、米国では、薬物治療中心の西洋医学だけでなく、鍼灸などの東洋医学も組み合わせた治療が注目され、特に日本独自の「痛くない鍼灸」への関心が高いという。その現状をレポートする。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

いまだ深刻な事態を示す日本の自殺者の統計

代表的な東洋医学の鍼灸(写真はイメージです)

 日本の自殺者数は6年連続で減少し、昨年は、1998年に自殺者が3万人以上に急増する前の97年(2万4391人)の水準まで減った。

 だが先進7ヵ国における日本の自殺率の高さは依然突出しており、なかでも若年世代(15歳~39歳)の死因第1位が自殺というのは日本だけの特徴だ。

 日本財団が実施した、20歳以上の男女4万人を対象にした初めての大規模な調査では、「過去に本気で自殺したいと思ったことがある」という人が、4人に1人に上るという衝撃的な事実が明らかにされた。

 自殺をめぐる状況は、相変わらず深刻だ。

 自殺の原因・動機はうつ病や身体の病気など「健康問題」が最も多く、次いで「経済・生活問題」、「家庭問題」、「勤務問題」の順となっている。

 ただ2015年の統計では、「健康問題」が前年より6%減少したことが全体の数字引き下げに繋がった。内閣府の担当者は「うつ病への理解が広がり、対策が進んだ効果」と推察している。

 自殺を選ぶ人は総じて心理的に追い詰められ、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症しているケースが多い。「経済問題」など、他の原因・動機にカウントされた人たちの中にも、うつ病を発症していた人はいたはず。

 つまり、うつ病患者や予備軍を早期に発見し、治療することができれば、自殺者はさらに減らせるのではないだろうか。

 そこで近年、注目されているのが、「痛くない鍼灸」による心のケアだ。

実は難しい、うつ病診断 正しい診断なくして薬は効かない

 「うつ病ということで紹介を受け、診察してみると、別の病気であるケースはよくあります。逆に、別の精神疾患と診断されていた患者さんがうつ病であることも少なくない」

 精神医学界の重鎮で、うつ病治療に精通するK医師は「大きな声では言えないが」と断りつつ、そう話してくれた。

 代表的な9つの抑うつ症状があって、一定の期間見られた場合に、うつ病、正式には「大うつ病」と診断する……という診断基準はあるものの、実際は、経験豊富な精神科医でなければ、この病気の真実を見極めるのは難しいらしい。

 「最近問題となっているのは発達障害です。精神的な発達が不十分なまま成人し、職場に配属される。そこでいろいろな軋轢が生じて、抑うつ状態になっている人がいます。そういう人も、診断基準ではうつ病になりますが、解決すべき問題は発達障害。発達障害を診断できなければ、うつ病治療だけをしても治せません」

 治療を続けても治らなければ絶望し、自殺を選ぶケースは増えるだろう。

 「高齢者の認知症も初期はうつ病のようになりますし、脳腫瘍や甲状腺ホルモンの内分泌系の病気でもうつ病の症状が出てきます。うつ病の鑑別はすごく難しい。うつ病は不定愁訴から始まるため、最初に精神科に行く人は少なく、内科、婦人科、脳外科などを受診する方がほとんどです。目下、そこの先生方にうつ病の勉強をしていただき、疑わしい患者さんは精神科へご紹介いただくようなネットワークづくりに取り組んでいます」

 正しい診断なくしては、薬は効かないし、場合によっては症状を悪化させることもある。認知行動療法等の治療も、正しい診断あってこそ、効果が期待できるのだ。

 しかし、うつ病患者には、自分の診断が間違っているのではないかと、医師に問いただす気力はない。家族もそうだ。いくら「心の風邪」というフワッとした表現に変わったとしても、身内の「うつ病」は、依然公言しがたい雰囲気があり、アクションを起こしにくい。

帰還兵のPTSD対策で米国が注目 痛くない日本独自の鍼灸

 そんな中、うつ病の新しい治療法として注目されているのが、鍼を刺さない(刺すとしても3ミリ程度)、痛くない、日本独自の鍼灸だ。

 鍼を刺さずに、身体の表面を金属の棒状の鍼でなでて治療する方法は「てい鍼術」と呼ばれる。

 これら、痛くない鍼灸を駆使して「ココロのケア」に取り組む鍼灸師・船水隆広さんは2013年、ハワイの医療系大学院に招かれ、「ココロの病と鍼灸」というタイトルで講演を行った。

海外講演にて。実演中の船水さん(中央)

 アメリカは国を挙げて有効性の立証に取り組むなど、代替医療と西洋医療の併用に積極的だ。ある調査では、50歳以上のアメリカ人の3分の2以上が、マッサージやサプリメ ントなど何らかの代替療法を利用しているというデータもある。

 また、アメリカ人は湾岸戦争等の戦争体験からPTSD※になっている人が非常に多い。

 普通、鍼灸といえば、治療したい症状に応じて「ツボ」と呼ばれる部位に、専用の鍼を刺していく。耐えられないほどの痛みではないが、やはり痛いし、数ヵ所に血が滲むのは当たり前。気が弱い人や、「注射が苦手」な人にとっては、相当ハードルが高い。

 まして、うつ病で気持ちが弱っている人は健常者以上に痛みに弱いし、アメリカ人は、日本人以上に痛みを伴う治療法を受け入れないという。

 ゆえにアメリカでは、「痛くない鍼灸」への関心が高く、うつ病の治療に取り入れる土壌が整っていたため、船水さんの講演には退役軍人、現役軍人、医師、研究者や講師、大学院生など大勢の専門家が集まったと考えられる。

 日本でも、痛くない鍼灸によるうつ病ケアを普及させるべきではないだろうか。

※PTSDとは
 PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、心のダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるもの。震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれている。(厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」より

うつ病の身体症状を見抜く早期発見の窓口としても有効

 鍼灸には、早期発見の窓口としての役割も期待できる。

 なぜなら、うつ病によって体に現れる最もポピュラーな症状は、睡眠障害、疲労感、倦怠感、首や肩のこり、頭痛だが、これらの症状はいずれも、鍼灸治療の得意領域だからである。

 うつ病患者が最初に受診するのは、精神科ではなく内科であり、「特に内科的病気はない」との診断をされた後、困り果てて受診すると考えられるのが鍼灸だ。病院を敬遠し、最初から鍼灸を頼る人も少なくない。

 うつ病に関心が高い内科医なら、内科的病気がない場合うつ病を疑い、精神症状の有無を聞きだそうとするだろう。うつ病の患者が、自分で精神症状を訴えてくることはほとんどないからだ。だが、多くの内科で、うつ病は見逃されている現実がある。

 鍼灸師の場合、脈診や視診など、東洋医学的な診察を通して、うつ病を見つける。

 脈診は、在宅医療の現場でも活用する医師が増えている技術で、精神状態から薬の服用の有無まで、かなり詳細に患者の状況を察知することができる。

 例えば、精神安定剤を服用している場合には、脈も不自然に落ち着いており、見た目の様子と脈の様子がアンバランスになる。また、早い脈と遅い脈が混在し不安定な時も、やはり心の病が疑われるのだという。

 無論、視診も重要で、心の病を抱える人は、目を閉じればまつ毛が震えており、舌を見れば、やはり震えているのが分かるという。こうした震えは気血両虚と呼ばれ、自律神経の失調のような状態であり、止めようとしても自分では止まらない。

 東洋医学は、西洋医学とは異なる様々な着眼点で、患者本人の気づかない、心の不調の証拠を拾い上げ、早期発見するのである。

「気の流れ」を改善週1で2年かけて治す

 鍼灸の治療は、「気の流れが悪くなると病気になる」という東洋医学の考え方に則って行われる。

 そもそもうつは、気が鬱滞(うったい)するという意味もあり、気の流れが極端に滞っている状態がうつ病なのである。

 よって治療では、経絡という気が通る場所のどこが病んでいるのかを、脈診、視診、触診等で判断し、効果のあるツボに3ミリ(従来の鍼灸では1センチ)、極細の鍼を刺して10分ぐらい置いておく。すると気の流れが改善し、症状が徐々に消えて行く。

 うつ病で、鍼灸が特に苦手そうな人に対しては、治療のファーストステップとして刺さない鍼の「てい針」を行う。その理屈は、身体の表面に流れている気が悪いと、体内の気も上手く流れない。だから身体の表面の経絡を撫でて、表面に流れる気のめぐりをよくしてあげるというもの。まったく痛みがないため、痛くされたら2度と来なくなってしまうような、うつ病患者の治療に有効だ。

 ちなみに「徐々に」というスピード感は大切で、その場で気の流れをいきなりよくすると、逆に具合が悪くなるらしい。流れの勢いが過ぎて、めまいのようなことが起きる危険を避けるため、マイルドに、徐々に流して、翌朝ぐらいに気づかない程度のレベルで元気になっているよう調整して流す。

 それを週に1回程度続け、2年ほどかけて治すのが、鍼灸のうつ病治療だ。

「心は全部臓器に眠っている」 東洋医学のシンプルさ

 西洋医学との最大の違いは、治療法のシンプルさだろう。

 どんな病気でも、肝と腎と脾と肺の4パターンに分けて治してしまう。副作用はなく、西洋医学的な診断が定まっていなくても問題はない。

 理屈はこうだ。

 西洋医学では、心を司るのは脳であるという考えから、心の治療も脳科学の分野になるが、東洋医学では、心は全部臓器に眠っていると考える。怒っている時は肝がおかしくなっており、落ち込んでうつになっているときは腎がおかしくなっているといった具合。

 人間の心身はコマと一緒で、コマがバランスを保ち回っていられるのは一定のスピードで回っているからなのと同じように、人間の精神も、全身を気が一定のスペードでめぐっているおかげでバランスが保たれる。気のめぐりがどこか一か所でも詰まったり、滞ったりしてしまうと、精神もバランスを崩したコマのように倒れてしまう。バランスを崩すせいで臓器がおかしくなり、その臓器と繋がっている感情の異常として表面化してくる。ゆえにココロの病を治療する方法として、鍼で気のめぐりを正すのは理にかなっている。

 ちなみに、臓器(五臓)と感情のつながりは以下の表の通り。


 ただし、うつ病であっても、肺が弱っているパターンばかりとは限らない。腎が弱っているパターンもあれば、肝が弱っているパターンもあるため、治療では、一番表に出ている症状につながるパターンから治していく。躁うつの激しいタイプの場合は、肝の治療から始め、イライラの解消から始めるのだ。

 こうした心の病気の構造は、キャベツにたとえられる。

 病の根っこを包むように、いくつもの症状がキャベツの葉っぱ状に層をなしており、それを1枚1枚剥がしていくのが、痛くない鍼灸による心のケアだ。

 肝の症状を剥がすと、腎の症状があらわれ、それを剥がすと肺の症状があらわれる、肺の症状をはがすとまた肝の症状がでてきてというような、根気のいる作業を繰り返し、「最後の症状=根っこ」にたどり着く。ようやく、治療完了のゴールが見えてくる。

 この間、最も怖いのは、症状が悪化し、最悪の場合自殺に至ってしまうことだ。

 そうした事態を回避し、最善の治療ができるよう、治療は精神科医と鍼灸師による綿密な連携のもとで行われることが望ましい。

 2015年3月、前出の船水さんは、加茂登志子医師(東京女子医科大学附属女性生涯健康センタ― 所長・教授 )が大会長を務める『国際ウィメンズメンタルヘルス学会』のシンポジウムにパネリストとして登壇。精神医学会の世界的権威ら錚々たるメンバーとともに、東洋医学を取り入れたうつ病治療についてディスカッションを展開した。鍼灸師が、こうした本格的な西洋医学の場で情報発信するのは前例がない。

 今後は日本でも、鍼灸師が精神科医や心理カウンセラーとタッグを組み、医療チームの一員として、気の流れを整えたり、東洋医学的な治療の部分を担当する時代が来るのではないだろうか。痛くない鍼灸を活用するうつ病治療に期待している。

引用元:ダイヤモンド・オンライン

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